暴落の兆し?!ヒンデンブルグオーメンとは?点灯条件や確認方法をご紹介!

「ヒンデンブルグオーメン」という用語は、FX初心者の方には、あまり馴染みがないかもしれません。
ヒンデンブルグオーメンとは、米国株式の暴落の兆しを示すテクニカル指標です。
暴落の予兆は、為替市場や先物市場といった他の市場にも必ず影響が及びます。
この記事では、米国の株式市場で使われているテクニカル分析、ヒンデンブルグオーメンについて解説していきます。
市場の動きを事前に察知して、投資リスクを少なくしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ヒンデンブルグオーメンとは?

ヒンデンブルグオーメン(Hindenburg Omen)とは、米国株式の暴落の予兆を示すテクニカル指標です。
ヒンデンブルグオーメンは、高値・安値の銘柄数というシンプルな数字から算出するもので、盲目の物理数学者ジム・ミーカが考案した指標です。
「ヒンデンブルグ」という呼称の由来は、1937年にアメリカで発生した飛行船「ヒンデンブルグ号」とその爆発事件です。
「オーメン」という言葉には、「良くないことが起こる前触れ」という意味があり、「ヒンデンブルグオーメン」とは、「良くない事件(こと)が起こる前兆」という意味を表しているのです。
一度ヒンデンブルグオーメンが点灯すると、30日間は「暴落の危険性がある」期間だとされています。
そのため、ヒンデンブルグオーメンが点灯したら、米国株式の暴落リスクに注意しておきましょう。
ヒンデンブルグオーメンの4つの点灯条件

ヒンデンブルグオーメンが点灯となるためには、次の4つの条件を満たす必要があります。
1. NY証券取引所で52週高値更新銘柄数と52週安値更新銘柄数が共にその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2.2%以上(2.8%以上とすることもある)
2. NYSE総合指数の値が50営業日前を超えている
3.マクレランオシレーターの値がマイナス
4. 高値更新銘柄数が安値更新銘柄数の2倍を超えない
順番に見ていきましょう。
1.ニューヨーク証券取引所(NYSE)での52週高値更新銘柄と安値更新銘柄の数が共にその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2.2%以上
銘柄ひとつずつの値動きに着目した指標です。
通常の穏やかな市場では、銘柄数と株価は、逆相関が成り立ちます。
高値を更新している銘柄が多ければ、相場全体が強気で株価も上昇傾向、逆に安値を更新した銘柄が多いと相場全体が弱気、ということになります。
ヒンデンブルグオーメンが点灯した場合は、最高値を更新する銘柄と最安値を更新する銘柄が混在するような「異常な状態」といえます。
2.NYSE総合指数の値が50営業日前を超えている
市場全体の値動きに着目した指標です。
「NYSE総合指数」(NYSE Composite Index)とは、ニューヨーク証券取引所の上場の全普通株を対象とする”調整時価総額加重平均指数”を指します。
このNYSE総合指数が50営業日前を上回っていることで、株式全体が上昇を続け高値圏に推移していることがわかります。
3マクラレンオシレーターの値がマイナス
テクニカル分析に着目した指標です。
マクラレンオシレーター(McClellan Oscillator)とは、オシレーター系のインジケーターです。
数値がプラスになれば上昇傾向、マイナスになれば下落傾向というように、ひと目で判断できる指標です。
4.高値更新銘柄数が安値更新銘柄数の2倍を超えない
高値更新の銘柄数が安値更新の銘柄数よりも多いということは、それだけ相場全体の上昇傾向が強いと判断できます。
この条件のように2倍を超えないということは、上昇傾向ではあるものの、勢いはそれほど強くない状態だと判断できます。
ヒンデンブルグオーメンの的中率は?
ヒンデンブルグオーメンの的中確率について見ていきましょう。
ヒンデンブルグオーメンが確認された後、次のようなことが起こると言われています。
・株価が5%以上下落する可能性→77%
・パニック売りとなる可能性→41%
・株式市場が重大なクラッシュを引き起こす可能性→24%
このシグナルが発生しても暴落しないケースもありますが、1985年以降では、米株式市場が暴落した時は、いずれの場合もこのシグナルが現れたそうです。
ヒンデンブルグオーメン点灯の確認方法は?
「ヒンデンブルグオーメン」に関する情報を確認したい場合は、「カイカ証券株式会社(元 eワラント証券)」のホームページがおすすめです。

カイカ証券では、独自アルゴリズムによる投資情報を無料提供していて、ホームページでヒンデンブルグオーメンの最新情報をチェックすることができます。
カイカ証券のツイッターからも最新情報が確認できます。
ヒンデンブルグオーメンが点灯した時の注意点

ヒンデンブルグオーメンが点灯した時の注意点としては、次の4つがあげられます。
1. アメリカの株式市場に急落・暴落が発生することを意識する.
2. 株価が長期間上昇を継続している時には暴落につながる
3. 頻繁に出るサインではないので、多くの人が意識しない
4. 一度サインが点灯すれば30日間有効なので、サイン点灯後の上昇継続も警戒を続ける
1.アメリカの株式市場に急落・暴落が発生することを意識する
ヒンデンブルグオーメンが点灯すると、急落・暴落のリスクが高まるので注意しましょう。
アメリカの株式市場が急落すると、投資家たちがお金を一気に引き上げて安全な資産に移すリスクオフが起こるなど、何かしらの為替相場にも影響があります。
特に円やスイスフランといった安全通貨の買いが加速したり、ドル安が進むことがよくあるので注意が必要です。
2.株価が長期間上昇を継続している時には暴落につながる
長く上昇が続いている相場であれば、それだけ一気に暴落する可能性が高まります。
特に急な上昇が続いている場合は、一瞬で暴落することがあるので、ヒンデンブルグオーメンが点灯したら、過去の株価の値動きも注目して注意しましょう。
3.頻繁に出るサインではないので、多くの人が意識しない
知っていても暴落の可能性を信じない投資家も少なくありません。
投資において、できるだけリスクを減らすためには、他の投資家が意識していなくても、サインが点灯したら万が一に備えましょう。
4.一度サインが点灯すれば30日間有効なので、サイン点灯後の上昇継続も警戒を続ける
ヒンデンブルグオーメンのサインが点灯したら、その先30日間は有効であるとされており、1カ月ほどが下落警戒期間として意識するようにしましょう。
サインが点灯してすぐに暴落が起きる事もあれば、少し時間をおいてから暴落が起きる可能性もあります。
サインの点灯後すぐに暴落がないからといって、買い増しなどは、かなりリスクがあるので、注意が必要です。
「暴落の兆し?!ヒンデンブルグオーメンとは?点灯条件や確認方法をご紹介!」のまとめ
ここまで、ヒンデンブルグオーメンとは、どのようなものか、点灯条件や確認方法、注意点について見てきました。
ヒンデンブルグオーメンは、テクニカル指標のひとつですが、アノマリーやジンクスなどに近い存在ともいえるでしょう。
ヒンデンブルグオーメンの前兆は、米国株式市場での合図なので東京株式市場では気にしなくてもいいという人もいますが、そうとも言えません。
ヒンデンブルグオーメンの暴落の兆しは、為替市場や先物市場といった他の市場にも必ず影響が及びます。
どんなタイミングで予想外の暴落が起きるかはわからないので、ヒンデンブルクオーメンを意識にとめて、しっかりとリスク管理をしていきましょう。